親記事 引用 |
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父であることを根拠とする主権へのアダムの権限について
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我々の著者は、この父たる地位の権限を大変好んでいて、パトリアーカの中の全てにそれが見られるほどであるが、12ページにおいて次のように述べている。 「アダムだけではなく、彼に続く家父長たちもまた、父であることの権利によって、子供たちに対する王的権限を持っていた。」また、同じページに、「子供たちのこの服従がすべての王的な権威の源泉である云々」
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グロチウスはここで、子供に対する親の権利がどこまで及ぶのかについては、何も語っていない。しかし、我々の著者はその点では常にはっきりしていてそれは至高の権力であり、絶対君主が奴隷に対して持つのと同様の生殺与奪の絶対権力であると言い切るのである。しかし、子供を儲けることが、父親に対して、どのように、そして、いかなる理由のために子供へのそうした絶対権力を与えるのかと説明を求めても、彼は何も答えない。
岩波文庫 ジョン・ロック「統治二論」
※昔学校の文化で習った時は市民政府論、市民政府二論と習ったが、現在売られている本のタイトルは統治二論と訳されている。
この本はアダムが息子に対して「私的」統治権を持つのであるという箇所を拡大解釈して、王権神授説を唱える学者たちを批判し法の下の平等を説くという本です。
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